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2019年1月[Sanada発 現場から]


2019年の世界経済と日本


 「株は景気の先行指数である。」
と言われていることはご高尚の通りであります。
そうした意味では、昨年末、株価が7年ぶりに年初対比でマイナスとなり、
「2019年のスタートは大丈夫なのか?
2019年の景気は弱含みでスタートか?」
と言った不安感がある中、本年は始まりました。
2018年の日経平均株価の推移を見てみると、
「年初来の最高値は10月2日につけた24,448.07円で、当初の市場の見通しでは、そのままの水準を維持し、25,000円程度で2018年末は終了するはずであったが、米中摩擦の拡大が経済のみならず、軍事外交問題にまで拡大したことが確認され、その結果、知的財産権の侵害とイラン取引に関与していたとの理由から華為のCFOがカナダで逮捕され、またカナダ人が中国本土で逮捕されるなどのきな臭い事件が続いた12月には株価は急落、10月2日からたった2ヶ月ほどで株価は一気に崩れる傾向を示し、結局は、先進国株価が揃って打たれ、下落傾向は改善されず、12月26日には2018年最安値となる18,948.58円をつけた。
年末の12月28日には、なんとか20,000円台を回復し、20,014.77円をつけて終えたが、不安を抱えたまま2018年の取引は終わった。」
と総括出来ましょう。

本年はまた、米中摩擦に加えて、
*BREXITをはじめとする欧州情勢の不安
*イラン問題など中東情勢不安
が顕在化すると先進国株価が更に下落、日経平均株価も勿論下げ傾向を示す可能性があります。
しかし、一方で、世界的な資金余剰の中、資金の行き場を求める投機筋は、チャンスを見て、先進国の株式市場に投機性資金を戻す動きを示そうことから、2018年と同様、株価は、
「ファンダメンタルズ」
は重要視しつつも、その時々の、
「国際情勢」
を背景に、ミニ上昇、ミニ下落を繰り返す、但し、その周期は、短期間化する可能性もあると見ておきたいと思います。

2018年の日経平均株価推移
年初来高値24,448.07円10/02
年初来安値18,948.58円12/26
2018年年初23,506.33円 1/4
2018年年末20,014.77円 12/28

一方、投機筋は、借金をして投機をすると言う、
「キャリートレード」
を好み、現状では、
「比較的安心安全の通貨で金利の安い通貨である円」
でこのキャリートレードが行われていることから、国際金融市場が安定し、キャリートレードが拡大する局面では、株価が上昇する一方、円が米ドルやユーロに転換されて投機をされるものもあることから、円安が助長される、
逆に国際金融市場が不安定化するとキャリートレードが解消される局面に入ることから、株価は下がり、米ドルやユーロが円に戻されて、借金が返済されていくことから、円高が助長されると見られます。

従って、2019年も、上述したように先進国株価が乱高下する中で、キャリートレードも機動的に展開されると、円・米ドル為替も乱高下する可能性もあると見ておきたいと思います。

こうした先進国の株価動向を意識しつつ、日本経済について眺めてみると、
「潜在的なインフラ開発需要も弱く、人口は多く消費者の消費力も一定水準にあるものの生活必需品が基本的には一般庶民に行き渡っており、消費財の需要も限定的であり、安定成長という名の低成長にならざるを得ない、結果として、デフレからの脱却は容易ではない。」
と先ずは見ておくべきであると考えます。
 実際に、日本銀行が物価上昇率2%を目標に金融政策を展開してきているが、なかなか、その水準には達しておらず、デフレ脱却は達成されていません。
こうした中、国際情勢に恵まれ、輸出型の大企業が活発に推移すれば、日本経済の成長も牽引されましょうが、上述したように、混沌となると、大きな期待は持てなくなるかもしれません。
特に、円・米ドル為替が相対的に円高傾向に転じようものならば、日経平均株の主要対象となる輸出型大企業の株価は下落傾向を強める危険性もありましょう。
更に、米国景気の低迷に加え、中国本土経済のリセッションが顕在化すると2019年の日本経済は輸出サイドで不冴えとなり、かなり厳しい状況になる可能性も出ましょう。
一方、一昨年から進められている、
「賃上げ」
も大きな効果は示しておらず、直近の日本の平均年収は2018年の暫定統計では414万円程度と推計されており、平均では2017年よりも15万円ほど、むしろ低下しています。
こうしたことから、日本のGDPの6割を超える民間消費の拡大もあまり期待できません。
このような現状を想定する場合、例えば、2019年には、気象災害、地震災害対策などを意識し、積極的に、計画的に、かつ、適切に予算配分をして、国家のインフラを抜本的に見直す、
「国土強靭化計画」
を立案、推進していけば、日本は国際金融市場の動向に拘らず、比較的堅調に推移していくことができましょう。
今年こそ、既得権益層の利権絡みの国土インフラ開発ではなく、
「国の粋を集めた計画作りとその実行」
を行うべきであり、それこそが、安倍首相が言い始めた、アベノミクスの三本の矢の三本目となる、
「成長戦略」
にも繋がるものと思います。
そうした意味で、2019年、大いに期待したいです。

そこで、2019年の世界経済を概観したいと思います。

昨年末の先進国株式市場の混乱などを背景に、景気不安感を持ち、今年の世界経済はスタートしており、こうした中、世界経済の鈍化傾向は続く可能性があると見ておきたいと思います。
米中覇権争いをベースに混乱の火種が残る中、米国では、株高による資産効果が今後は剥げ落ち消費が落ちる、更に米国の減税効果も落ちることから、世界経済を牽引してきた米国経済は内需部門の低下を背景に鈍化すると一応見ておくべきでありましょう。
そして、世界的な在庫調整が当面続くことから、生産の鈍化が世界的に見られる可能性も意識しておかなければならないと思います。
こうしたことから、景気先行きに懸念を持つトランプ大統領の介入などもあり、米国の利上げ傾向に変化が見られる、よって、米ドル高トレンドにも変化が出る可能性があります。

一方、BREXITの行方は混沌としており、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領の権力掌握力の低下が見られる中、独仏では混乱が拡大、そして、イタリアリスクも加わる欧州経済は、EUそのものに対する不安が拡大、その結果として、EUが発行している通貨・ユーロに対する不安も拡大し、欧州情勢は混沌を続ける可能性も高いと思います。
そして、ECBの量的緩和終了を受けて、ユーロ圏での経済混乱が加速化する可能性もありましょう。

また、米国と共に世界経済を牽引してきた中国本土経済も、欧米の景気減速感が強まる中、外需部門の伸びが鈍化、内需もこれにつられて減速し、バブル感が顕在化してくると見られます。
中国本土政府としては、財政が悪化しないように留意しつつ、内需刺激を図ると見られますが、全体的に景気減速感は否めないでしょう。

こうした結果、2019年の経済成長率は、米国が2.2%前後、ユーロ経済圏が1.5%前後、そして中国本土は6.0%前後と固めに見ておくと良いかと思います。

尚、原油価格は安定的に推移するものと見られ、工業国を中心とした世界経済へはプラス効果を示すと思います。

さて、このような世界経済動向を前提とした上で、日本経済を概観すると、外需部門の足踏みと昨年後半から顕在化しつつある在庫調整を主因として、日本経済の拡大ペースも当面は鈍化、経済成長率は1.0%前後となると見ておきたいと思います。
そして、上述したように、外需不振を予測する中、日本経済の成長には、内需の重要性が相対的に増してくると見ておきたいと思います。
日本経済にとって、好材料要因としては、上述した通り、原油価格の下落であり、悪材料は10月に予定されている消費増税でありましよう。
消費税引き上げに関しては、増税額を上回る規模での歳出拡大が計画されているとは云え、消費税引き上げ見直しの議論まで出るかもしれません。

しかし、私としては、前段でも述べましたように、日本国内の粋を集める形で、ここで一気に、
「日本再生の基盤を作る。」
ことを目標とした計画を作り、但し、「利権にまみれず」、ということを前提として、粛々と国内投資を拡大していくべきであると考えています。
そして、先ずは内部留保に走ってきた民間企業が、少子高齢化と人出不足を前提にして、
「AI化を含むIOT化を一気に推進し、人と機械が共生出来るような企業社会の構築に向けて、民間投資の拡大を図る。」
ことを念頭にして、活発に投資を拡大する、一方、日本政府は、先ずは、
☆老朽化したインフラ設備のリハビリ投資を粛々と実施する。
☆更に、自然環境の変化などに伴うインフラ設備の見直しと投資を実行する。
といったことを図るべきかと思います。
また、政治家、特に長い間、執権政党として動いてきていた自民党には抵抗があるかもしれませんが、ここで一気に、
「現在、認定できる年金資産を、現金と現物に分けて、全て洗い出し、その現存する年金資産を基にして、新たな年金制度を構築し、元号が変わる今年から、一気に年金の新制度に移行し、年金問題に起因する国家不安リスクを少しでも解消し、財政の健全化を図るべきではないかと、私は考えています。
いずれにしても、2019年の世界経済と日本経済は、少し厳しめに見ておき、
「上振れをすれば、ラッキーである。」
と言ったように考えられるよう、心しておけば良いと私は考えています。

[自然体で見た日本経済予測]
各種経済予測を基にした概数
経済成長率      日本+1.0%
(参考: 米国2.2%、ユーロ経済圏1.5%、中国本土6.0%)
民間消費       +0.3%
民間投資       +2.0%
民間住宅投資     +1.2%
鉱工業生産      +1.0%
失業率        2.4%
消費者物価上昇率   +1.2%
為替レート      110〜115円のボックス
原油価格 WTI基準 1バーレル=60〜70米ドルのボックス

引き続き宜しくお願い申し上げます。

以上

 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光
 


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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